らんま鑑定団

NHKからの電話

H26 年8月14日の夕方、携帯電話が鳴った。相手はNHKの制作部だという。話の内容は、三日後に、四国松山の三百年経った庄屋さんの家を番組で取り上げるの だが、そこに一組のランマが入っている、そこで、そのランマがどのようなものなのか、下調べしてほしいとの事である。
私はその時出張中で福井に居たので、とりあえず、FAXで写真を送ってもらい、判るだけの事を返事しましょうということになった。それがこのランマである(※見にくくて失礼)。

上の写真を見てわかること。
①ランマの“高さ”(H)が非常に高くて、90cm以上あるということ
(これは四国地方特有の現象である)


②彫刻してある部分と、まわりの板の部分が同じ厚さである。
(このことは、土佐、山内容堂家のランマで「鴨にクワイ」という高知城に展示してあるランマよりも古いランマである可能性が強い。理由は当ホームページの中にある「ランマ美術館」の⑪番目のランマの解説を読むとわかる)


③松の幹、梅の幹、竹の太さが比率的に正しく彫ってある。
(現代に近づく程、松竹梅が同じ太さになってくる。松より梅、梅より竹を細くしていると、手間がかかるし、松の枝より細い梅の枝や、それより細い竹の幹は 面倒くさいし、ムズカシイ。そんな訳で、早く仕上げて、早くお金にしようとする現代では、考えられないくらいの心がこもっている。)


④材質からわかること
(一見したところ、このランマを彫っている木は、木目(もくめ)があまり明確に写っていない。そこから考えられることは、材質が桂(かつら)or桜or楠 (くす)ではないだろうか。百年、二百年、いやそれ以上前だとすると、家にランマを入れたり床の間を作るような人は、余程の高級武士か大商人である。だか ら、めったに需要はなく、四国ならば、ほとんど大阪へ材料やランマを買いに行っている頃である(そして船に乗せて運んできた)
ところが大阪のランマは、その材料が、春日杉or霧島杉or屋久杉等に決っている。それらは杢目が細かくて、美しい銘木である。故に、杢目が荒いこのランマは、地元四国で彫られたものと思う。


ここで、もう一つ考えておくべきは、同じ四国の対岸でも、和歌山にも彫刻の産地があったということである。根来塗り(ねごろぬり)等に見られる、根来衆の 中に、彫刻を得意とする一団がいて、その伝統を受けて、現在もあると思われる才駒工芸(さいこまこうげい)という会社は昔はランマを作っていたし、そこの ランマの雰囲気にも似ているように思われる。)

~以上が、このランマの写真一枚から推測されることである~

……という返事を送っておいた次第。

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これは岐阜県のSさんから依頼のあったらんまの鑑定書です